これから住宅を建てたいという方なら、そのようにお考えの方も多いでしょう。
木造であれば、木の温もりを感じられて落ち着くような気がするし、鉄骨造りであれば耐震性や耐久性が高く、安心が得られるような気もしますよね。
そんなお悩みをお持ちの方のために、木造と鉄骨造りの工法の種類とその特徴についてまとめてみました。
ぜひ記事をしっかりと読んで、住宅づくりの参考にしてくださいね。
木造住宅の工法
「木造軸組工法」とは日本古来から取り組まれてきた工法で、「従来工法」などと呼ばれることもあります。
「木造枠組壁工法」は面を組み立てていく工法で、「2×4(ツーバイフォー)」「2×6(ツーバイシックス)」「2×8(ツーバイエイト)」などが存在します。
ではこれらの工法の違いをご説明していきましょう。
木造軸組工法
『木造軸組工法』とは、柱を立てて、その上に梁を水平に乗せて、家を建てていく工法のことを言います。
独特の木の温もりを感じられることができますよね。
筋交いと呼ばれる斜めの木材で補強しています。
2020年の建築基準法の改正によって耐震性もアップしましたので、地震や台風などに対しても強い特徴を持っています。
近年では木の接合部分には金属も活用されていますので、大工さんの力量による差もなくなりつつあります。
木造枠組壁工法(2×4、2×6、2×8…)
木製の製材によってつくられたパネルによって壁や床、天井といった面を箱形にして住宅を組み立てていきます。
材料の寸法や釘は規格されているために、大工さんの力量で住宅の品質に差が出るようなことはありません。
とても合理的な工法であると言えるでしょう。
「2×4(ツーバイフォー)工法」や「2×6(ツーバイシックス)工法」などと呼ばれることもあります。
木製のパネルは角材のサイズが決まっており、2インチ×4インチのサイズであれば「2×4(ツーバイフォー)工法」、2インチ×6インチのサイズであれば「2×6(ツーバイシックス)工法」となります。
「2×4工法」と「2×6工法」を比較した場合、壁や床の枠材は約1.6倍となります。より厚い断熱材となりますので、断熱性能をアップさせることが可能です。
また耐震性、遮音性などもアップしますので、安心・快適性を高めていくことができるのです。
鉄骨造住宅の工法
鉄骨造りの場合、木造とは違って柱や壁を減らしても耐震性に問題はありません。
そのため広いリビングにしたり、開放的な吹き抜けにしたり、大きな窓にするような空間づくりが可能となります。
鉄骨の材料は工場で製造されており、ある程度組み立てて、現場で造り上げていくことから、大工さんや業者による品質に差が生まれにくいと言われています。
軽量鉄骨造
厚さ6mm以下の軽量鉄骨を利用して住宅を建てるのが特徴です。
鉄骨を柱や梁、筋交いなどによって組み立てていくことが多いので、木造軸組工法と同じ仕組みによって住宅が完成します。
ただし木造軸組工法の住宅と比べるととても強度が高いので、住宅内に木造よりも大きな空間がつくれたり、大きな窓を設置するようなことも可能となりました。
軽量鉄骨は工場によって製造されています。
そのため品質が安定しており、大工の力量によることなく、品質の良い住宅を建てることが可能です。
メーカーにとっては大量生産できるというメリットがあるのですが、設計デザインの自由度はどうしても低くなってしまいます。
また通気性や防音性、断熱性もそれほど高くありません。
重量鉄骨造
以前は3階建て以上のマンションやオフィスビルなどだけに活用される工法でしたが、近年では一般の住宅においても重量鉄骨造が増えています。
軽量鉄骨造との違いは、設計の自由度が高いという点が大きいでしょう。柱と梁を一体化させており、筋交いを必要としていない構造になっているからです。
壁を取り外すような大規模なリフォームを行うことも可能になっています。
そのため広々とした空間、開放的な吹き抜けなどをつくることが容易になっています。1階に車を数台駐車できるスペースをつくるようなことも可能です。
ただし軽量鉄骨と比べて、建築費用が高額になりがちです。
鉄骨に厚みがありますから、その分、材料品が高くなってしまいます。また住宅自体が重くなりますから、地盤に補強工事が必要となるために、その費用が必要となっています。
鉄筋コンクリート造
一戸建てでも高層マンションにおいても活用されています。
鉄筋とコンクリートで造られているために、かなり頑丈であるのが特徴で、耐震性や耐火性を求めるのであれば抜群です。
鉄筋だけの場合であれば、どうしても外気や雨水などによってサビがみられますが、コンクリートで鉄筋を守っているために耐久性にも優れていると言えます。
またどんな設計においても対応することができる柔軟性を持っています。
型枠さえあれば対応可能となっていますので、有名な建築家のデザインや高級住宅などにおいて採用されることもあります。
ただし作業に関しては、現場で行われることになりますので、業者や天候によって品質が左右されることが指摘されています。
また夏は暑く、冬は寒くなりがちなので、断熱に力を入れなければなりません。そのためどうしてもコストが高くなりがちになってしまいます。
まとめ
おのおのでメリットは多いですが、デメリットも必ず存在します。そのデメリットを補強するために、さまざまな種類の工法が生まれています。
これから住宅づくりに取り組むという方であれば、その特徴を掴んで、ご家庭に適した工法を選ぶようにしてみてはいかがでしょうか。